命をみつめて



    大賞 中山光一

身ごもった娘は

百万本の

コスモスの中で

「お父さん」と

手を振る








  佳作 峯岸伸一
こころの
なかの
螢を放つ
母の
岸辺

        

  佳作 小原淳子
誕生日に思う
そのとき
父がいて 母がいて
炭火が
赤く熾っていたのだと





  佳作 稲垣悦子
米を研ぐ
平凡な一日の
あかしとして
戦の時代の
とむらいとして
        

  佳作 小林裕史
「生きてて
すみません」
いいじゃないか
そんなとこから
はじめてみても




 

  佳作 室岡愛子
山がないて
やがて吹雪が
やって来る
命をかける
仕事が来る


 

 

 

ページトップ

前ページ

審査結果一覧へ

次ページ