大賞 山本淑子 一片の雪も わたくしも 理由あって 出逢った世界に 君は訪ねよ |
佳作 當摩八千代 八十八歳の 母が遺していった 文鳥 春の和菓子の匂いで てのひらに乗る 佳作 白井淑子 溢れるほどの 愛が 自分へのもの だけだった ことのかなしみ |
佳作 北島たけし 君が山なら 私は雷となる 慕う この身を 闇へ投げ打つ 佳作 石畑由紀子 胸を切り裂いて あなたに見せたい 言葉は もう 役に立たないから |
佳作 熊倉浩恵 家族の写真を いつまでもいつまでも 見つめる祖母 それは誰なのか 何度でも教えてあげる |