大賞 藤原惠子 悲しみとは その目にも 声にも表れず ひきしまった唇の上に 静かに座っているかのよう |
佳作 中山純花 ほめ言葉 どう受けてたつ 困惑のかげで じんわりと湧く この自信 佳作 冨田祐理香・十四歳 生まれた時は 私が泣いてみんなが笑った 死ぬ時は 私が笑ってみんなが泣く そんな人間になりたい |
佳作 嵐 太 突然の 雷雨 袈裟斬りに 飛び去る 燕の刃 佳作 光城健悦 夢を 白地図に書き込んで 二人で旅にでる そして 静かな午後 帰る場所を忘れたように 余白は色彩でいっぱいになる |
佳作 藤田悠一郎 生まれた子の 海の色は 雨を知らず ただ星月夜に 似ている |